ニュージーランド ビザ・永住権で損しない5つの条件

ニュージーランド

ニュージーランドは自然環境や教育水準の高さから、移住先として根強い人気がありますが、「どのビザを選ぶべきか」「永住権まで本当にたどり着けるのか」が最大の不安材料になります。本記事では、主要なビザの特徴から永住権との違い、取得につながる代表的なルート、そして損をしないために必ず押さえたい5つの条件までを整理して解説します。遠回りや取り消しリスクを避け、現実的な移住計画を立てたい方に向けた実践的なガイドです。

ニュージーランド移住で選べる主なビザ種類

ニュージーランド移住を目指す場合、まず検討したいのがどのビザで入国・滞在するかです。代表的な選択肢は、①ワーキングホリデービザ ②学生ビザ ③就労ビザ(Accredited Employer Work Visa:AEWV) ④パートナー・家族ビザ ⑤起業家・投資関連ビザの5種類に整理できます。

短期〜中期の滞在や「お試し移住」にはワーキングホリデーや学生ビザが使われることが多く、本格的な移住や永住権につながりやすいのは、就労ビザ・家族ビザ・起業家/投資ビザです。

どのビザにも年齢・英語力・資金・職歴などの条件があります。まずは「いつまでにどのくらいの期間住みたいか」「仕事はどの分野で働きたいか」「家族帯同か単身か」といった希望を整理し、複数のビザの中から自分に合うルートを絞り込むことが重要です。この後の見出しで、それぞれのビザの特徴と注意点を詳しく解説していきます。

ワーキングホリデービザの特徴と注意点

ニュージーランドのワーホリでできること

ニュージーランドのワーキングホリデービザ(Japan Working Holiday Visa)は、18〜30歳の日本国籍保持者が最長12か月(条件を満たせば最大15か月)滞在できる制度です。就学は最大6か月、フルタイム就労も可能で、旅行・語学学校・アルバイトを組み合わせながら生活できます。「まずはお試しで住んでみたい」「英語力と海外経験を伸ばしたい」場合に利用しやすい入口のビザといえます。

主な条件と申請のポイント

主な条件は、18〜30歳であること、扶養する子どもがいないこと、一定額以上の資金証明(生活費+往復航空券分)を提示できることなどがあります。申請は基本的にオンラインで行い、健康診断が必要になるケースもあります。ワーホリは一生に一度しか利用できないため、年齢制限ギリギリではなく、目的がはっきりしたタイミングで使うことが重要です。

ワーホリ利用時の注意点

ワーホリビザは「休暇」が主目的のビザであり、永住権取得を直接保証するものではありません。就労時間や業種に制限がかかる場合もあり、長期的なキャリア形成には計画が必要です。また、ワーホリ中に「現地就労ビザにつながる職歴」をどれだけ積めるかが、その後のビザ戦略の分かれ目になります。短期の観光気分で終わらせず、英語学習・ネットワーク作り・スキル習得を意識すると、次の学生ビザや就労ビザへのステップにしやすくなります。

学生ビザでの渡航と卒業後の進路選択肢

学生ビザは、語学学校・専門学校・大学などでフルタイム就学する人のためのビザです。「学歴+英語力+現地経験」をまとめて得られるため、永住権につながるルートを狙う場合にも重要な選択肢になります。

学生ビザで渡航する際の基本

  • 語学学校は最長2年程度まで申請可能(期間により資金証明額が変動)
  • フルタイムコースに在籍している場合、原則として週20時間まで就労可能
  • 配偶者や子どもの帯同の可否は、就学レベル(大学・ポリテク・大学院など)により異なる
  • 申請時には、授業料支払い証明、残高証明(生活費)、健康診断、無犯罪証明などが必要

「どの学校・どのレベルのコースを選ぶか」で、その後の就労ビザや永住権の取りやすさが大きく変わります。特にポリテクニックや大学で、ニュージーランド国内で需要の高い専攻(IT、エンジニア、看護、教育、建設関連など)を選ぶと、その後の進路が有利になります。

卒業後に取りやすい進路パターン

学生ビザで卒業した後に選びやすい進路は、おおまかに次の4つです。

進路パターン 概要 永住権との相性
1. Post Study Work Visa(PSWV)取得 一定レベル以上の学位・ディプロマを取得すると申請可能。就職活動と就労が自由 就労ビザや技能移民カテゴリーへのステップとして有利
2. そのまま就労ビザ(AEWV)へ 卒業前後に雇用主を見つけ、AEWVを申請 職種・給与条件を満たせば、永住権ルートに直結
3. 追加で別コースへ進学 英語力や専門性をさらに高めたい場合 年齢・資金と相談しながら慎重に判断
4. 日本へ帰国 英語力と海外学歴を活かして日本で再就職 再チャレンジで別ルートのビザ申請も可能

PSWVの条件(資格レベル・就学期間・キャンパスの場所など)は頻繁に変更されるため、入学前に必ず最新情報を確認することが重要です。多くの人が「卒業→PSWV→現地就職→AEWV→永住権」という流れを目指しますが、専攻分野や英語力、年齢により戦略は変わります。ニュージーランドを「一時的な留学」で終わらせるのか、「移住へのステップ」とするのかを、渡航前の段階でできるだけ明確にしておくことが、後悔を減らすポイントです。

就労ビザ(AEWV)取得の基本条件

就労ビザは現在、Accredited Employer Work Visa(AEWV)が中心となっており、ニュージーランド政府に認定された雇用主からの求人オファーが必須です。主な基本条件は、①認定雇用主からの正式な雇用契約(フルタイムが原則)、②職種ごとの最低賃金(Median wage)以上の給与、③必要に応じた資格・経験・英語力、④健康診断と無犯罪証明のクリア、の4つです。

AEWVでは、職種がグリーンリストやセクターパスウェイに含まれているか、ANZSCO/NOLでスキルレベルがどう扱われるかが重要になります。また、雇用主側にも「現地での人材不足を証明する」などの要件があるため、日本から応募する場合は、すでに海外採用実績のある企業や移民法に理解のある雇用主を選ぶことが実務上の近道となります。

家族ビザ・パートナービザの概要

家族ビザ・パートナービザは、永住権保持者や就労ビザ保持者と一緒に暮らすための重要な選択肢です。「誰の家族か」「スポンサー側のビザの種類」によって取れるビザと条件が変わる点が最大のポイントです。

代表的なパターンを整理すると、次のようになります。

スポンサー 同行者の関係 代表的なビザ 主なポイント
NZ市民・永住権者 配偶者・事実婚パートナー Partner of a New Zealander 12か月以上の共同生活や写真・送金記録などで関係の実在性を証明
AEWV保持者など就労ビザ パートナー Partner of a Worker スポンサーのビザ期間に連動。職種や収入条件で可否が変わる
上記のいずれか 扶養子女(通常24歳未満・未婚) Dependent Child Visa 年齢要件と扶養実態の証明が必要

多くのパートナービザでは、同居実績や共同口座、賃貸契約など「生活を共にしている証拠」が重視されます。観光ビザでの短期滞在ではパートナーとして認められにくいため、早めに同居期間を計画することが重要です。

また、ビザの種類によってはパートナーにも就労権が付く場合と、就学のみ可能な場合があります。永住権を視野に入れる場合は、「どの家族ビザから、どの永住権ルートにつながるのか」をセットで確認しておくと計画が立てやすくなります。

起業家・投資関連ビザの可能性

起業や投資を通じてニュージーランドに滞在したい場合、Entrepreneur(起業家)カテゴリーと投資家向けカテゴリーが主なルートになります。いずれも高い英語力や十分な自己資金が求められるため、「誰でも簡単に取れるビザ」ではありませんが、条件を満たせば永住権につながる可能性があります。

代表的な特徴は次の通りです。

種類のイメージ 主な要件の方向性 メリットの例
起業家向けビザ 具体的なビジネスプラン、雇用創出、最低投資額 自分のビジネスで滞在可能、成功で永住権ルート
投資家向けビザ 一定額以上の投資資金、資産証明、居住日数要件 雇用されずに資産運用中心の滞在も検討可能

いずれも「簡易な副業」程度では要件を満たせないため、事業計画・資金計画・英語力の3点を冷静にチェックすることが重要です。最新の条件や必要投資額は頻繁に変更されるため、移民局公式サイトや専門家への確認を前提に、長期的な資金計画と家族のライフプランをセットで検討することが求められます。

永住権と居住権の違いを整理して理解する

ニュージーランドでは、日常的に「永住権」と呼ばれているものの多くは、正確には「居住権(Resident Visa)」と「永住権(Permanent Resident Visa)」に分かれます。まずは日本語の呼び方と、ニュージーランド移民局が使う正式名称を切り分けて理解することが重要です。

ざっくり整理すると、居住権は“条件付きで長期滞在できる権利”永住権は“滞在条件のない、半永久的な滞在許可”というイメージです。多くの移住者は、技能移民や家族ビザなどからまず居住権(Resident Visa)を取得し、その後、一定年数の滞在実績などの条件を満たしてから、永住権(Permanent Resident Visa)へステップアップします。

日常会話や日本語サイトでは、Resident Visaも含めて「永住権」とまとめて呼ばれることが多く、条件や権利を誤解しやすい点に注意が必要です。自分が目指すのは「まず居住権」なのか「最終的な永住権」なのかを分けて考えることが、制度を正しく比較し、損をしない第一歩になります。次の見出しで、Resident VisaとPermanent Residentの違いをより具体的に確認していきます。

Resident VisaとPermanent Residentの違い

ニュージーランド移住を考えるうえで混同しやすいのが、Resident Visa(居住ビザ)Permanent Resident Visa(永住権ビザ)です。どちらも長期滞在が可能ですが、権利と条件が異なります。

種類 日本語イメージ 有効期限 出入国の自由 主な要件
Resident Visa 居住権付きビザ ビザ自体の有効期限あり(トラベル条件が付く) トラベル条件が有効な期間のみ再入国可能 技能移民や家族カテゴリなどで取得
Permanent Resident Visa 永住権 失効しない(現在の制度では無期限) いつでも自由に出入国可能 Resident取得後、一定期間ニュージーランドに居住など

重要なポイントは、最初からいきなりPermanent Residentになるのではなく、多くのケースで「Resident Visa → 条件を満たしてからPermanent Resident Visa」という二段階になっていることです。

Resident Visaの段階でも、就学・就労・公的医療の利用など多くの権利は得られますが、出入国時の制限が残るため、長期的な移住計画ではPermanent Resident取得までを見据えたスケジュール設計が重要になります。

永住権取得で得られる主なメリット

ニュージーランドの永住権(Permanent Resident Visa)を得ると、「ビザ期限や雇用主に縛られず、家族と長期的な生活設計がしやすくなる」点が最大のメリットです。

代表的なメリットは次の通りです。

  • 就労・居住の自由度が高い:職種や雇用主に制限がなく、転職や失業期間があってもビザ失効の心配がほとんどありません。
  • ビザの有効期限が実質無期限:一度永住権を取得すると、条件を満たしていれば再申請の手間が少なく、長期的な移住計画を立てやすくなります。
  • 医療・教育など公的サービスへのアクセス:長期滞在者として公立学校や公的医療へのアクセス条件が整い、子どもの教育費や医療費の負担を抑えられる場合があります。
  • 家族帯同がしやすい:配偶者や子どものビザ申請がスムーズになり、家族単位での移住が現実的になります。
  • 将来の選択肢が広がる:オーストラリアなど他国へのキャリアチェンジや引っ越しを検討しやすくなり、国際的なライフプランを描きやすくなります。

これらのメリットを最大限活かすためには、後述するデメリットや条件も含めて総合的に判断することが重要です。

永住権取得のデメリットと注意点

ニュージーランドの永住権は魅力が大きい一方で、見落としやすいデメリットもあります。特に「永住権=ゴール」と考えると、費用面やキャリア面で想定外の負担が発生しやすくなります。主な注意点を整理しておくと、判断材料になります。

  • 申請コストと時間が大きい:申請料に加えて、語学学校費用、現地での生活費、健康診断や翻訳費用など、総額で数百万円規模になるケースが多く、審査期間も数カ月〜1年以上かかる場合があります。
  • 要件変更リスクがある:移民政策は頻繁に見直され、ポイント制の基準や対象職種、年齢条件が変わる可能性があります。準備中に条件が厳しくなるリスクを前提に計画する必要があります。
  • 一定の居住義務がある:Permanent Residentになる前は、Resident Visaで決められた日数以上ニュージーランドに滞在することが求められます。日本との二重拠点生活を希望する場合はスケジュール管理が重要です。
  • 税務面・キャリア面の調整が必要:ニュージーランド税制への影響、日本での社会保障や年金、キャリアの一貫性など、長期的なライフプラン全体を見直す必要があります。

永住権は「選択肢を増やす権利」であり、必ずしも全員にとって最適とは限りません。メリットと同時に、こうした制約やリスクも比較検討してから判断することが重要です。

永住権取得につながる代表的なルート一覧

ニュージーランドで永住権(Permanent Resident Visa)を目指す場合、主なルートは次のように整理できます。

ルート 概要 想定される人
技能移民カテゴリー(Skilled Migrant Category) 学歴・職歴・年収・英語力などを評価し、一定条件を満たす専門職向けルート 大卒以上・専門職・IT、エンジニア、会計、教育など
グリーンリスト経由 政府が不足していると認めた職種リストに該当する人向け。即時または一定期間の就労後に居住権 エンジニア、医療、建設、特定の技術職など
介護・運輸などセクター別パスウェイ 介護職やトラックドライバーなど、特定産業で一定年数働くことで居住権へ 学歴よりも経験重視の職種を希望する人
家族スポンサー ニュージーランド市民・永住者の配偶者・パートナー・子ども・親として申請 既に家族がニュージーランドにいる人
起業家・投資カテゴリー 一定額の投資やビジネス運営を通じて居住権を取得 資本力があり、海外での事業展開を考える人

多くの日本人が現実的に狙いやすいのは、技能移民カテゴリーとグリーンリスト、そして介護・運輸などのセクター別パスウェイです。 これらの詳細を理解すると、自身の経歴でどのルートが最短・最安全か判断しやすくなります。続く項目で順に解説します。

技能移民カテゴリーの条件とポイント

技能移民カテゴリー(Skilled Migrant Category:SMC)は、ニュージーランドの主要な「ポイント制」永住権ルートです。現在の制度では、以下の条件を満たし、合計ポイントが規定以上になる必要があります。

主な条件 目安・ポイントの例(変更される可能性あり)
年齢 55歳以下が原則
英語力 IELTSやTOEFLなどで一定スコア以上
学歴 ニュージーランド資格局(NZQA)で認定されるレベル
職歴 関連分野での実務経験年数
年収・職種 高スキル・高収入ほど高ポイント
ニュージーランドでの就労オファー 現地企業から正式なJob Offerがあると有利

ポイントは、「ニュージーランドで不足しているスキルを持ち、長期的に働く意思があるか」を評価する仕組みです。条件は頻繁に改定されるため、移民局公式サイトで最新のポイントテーブルと申請条件を確認し、必要であれば移民アドバイザーに事前相談することが重要です。

グリーンリスト経由での永住権ルート

グリーンリスト(Green List)は、ニュージーランド政府が長期的に人材不足と認定している職種リストで、永住権までのルートが大きく短縮される可能性がある制度です。特にエンジニア、医療・介護専門職、建設関連、特定のIT職などが多く含まれます。

グリーンリスト経由の主なルートは、

ルート 概要 永住権申請までの目安
Tier 1 Straight to Residence 指定職種で要件を満たすと、対象就労ビザ取得後すぐに居住権を申請可能 渡航後すぐ〜数か月で申請可能
Tier 2 Work to Residence 指定職種で継続就労すると、一定期間後に居住権申請が可能 通常2年程度の就労が必要

いずれのルートでも、ニュージーランド政府認定(Accredited)の雇用主からのジョブオファー、所定レベルの英語力、学歴・職歴などの証明が必須となります。職種コード(ANZSCO / NOL)と必要資格が細かく定められているため、応募前に自分の職歴がどのコードに該当するか、最新の公式リストで確認することが重要です。

介護・運輸などセクター別パスウェイ

介護・運輸など特定セクターで働く人向けに、就労ビザから居住権・永住権までをつなぐ制度がセクター別パスウェイ(Care Workforce / Transport Sector Pathway など)です。いずれも「一定期間ニュージーランドで働き続けること」が大きな条件になります。

セクター 典型職種例 主な要件のイメージ
介護(Care Workforce) 介護士、サポートワーカーなど 指定賃金以上、フルタイム、一定年数の就労・経験
運輸(Transport) トラック運転手、バスドライバーなど 必要な運転免許、フルタイム、一定年数の就労

多くの場合、まずAEWV(就労ビザ)で働き、フルタイムでの就労年数を満たした後にResident Visa申請が可能になります。職歴証明や雇用主からのレター、給与明細など、長期にわたって証拠書類を蓄積することが重要です。条件や対象職種は頻繁に更新されるため、移民局公式サイトで最新情報を確認し、必要に応じて移民アドバイザーへ相談すると安心です。

家族スポンサーによる永住権の取得

家族スポンサー経由のルートは、すでにニュージーランドに居住権・永住権を持つ家族がいる人にとって、有力な選択肢になります。代表的なのは次の3つです。

カテゴリー 主な対象 概要
Partner of a New Zealander ニュージーランド人または居住権・永住権保持者のパートナー 一定期間の同居実績・真実の関係の証明が必要
Dependent Child Resident Visa ニュージーランド人/居住権保持者の子ども 年齢・未婚・経済的扶養状況などの条件あり
Parent Resident Category など ニュージーランドにいる子どもの親 子どもの収入要件や定員枠が設定されることが多い

家族カテゴリーは「関係性の証明」が最重要であり、SNS履歴や共同名義の契約書、写真、送金記録などを丁寧に集めることが鍵です。また、親カテゴリーは募集停止・条件変更が頻繁なため、移民局公式サイトで最新情報を確認し、必要に応じて専門家に相談すると安全です。

起業家・投資カテゴリーで狙う永住権

起業や投資を通じて永住権を目指す場合、主なルートは「起業家カテゴリー(Entrepreneur)」と「投資家カテゴリー(Investor)」です。いずれも高額な資金と綿密な事業計画が必要で、難易度は高いものの、職歴や年齢に左右されにくい点が特徴です。

カテゴリー 主な要件のイメージ 向いている人
起業家 事業計画の提出、一定額以上の投資、英語力、ビジネス経験 小規模でも事業を運営したい人
投資家 高額な投資資金(数百万NZドル単位)、資産証明、クリーンな資金源 既に大きな資産を保有している人

多くの場合、最初は起業家・投資ビザとして数年の居住権付きビザが発給され、その間に事業継続・投資維持・滞在日数などの条件を満たすことで、居住権(Resident Visa)、その後に永住権(Permanent Resident Visa)へとステップアップしていきます。

日本から自己判断だけで申請を進めると、事業内容や投資スキームが要件に合わず、高額な費用だけ失うリスクもあるため、認定移民アドバイザーや投資専門家への相談がほぼ必須と考えるのがおすすめです。

失敗を防ぐために確認すべき5つの条件

ニュージーランドのビザ・永住権は、条件をよく確認せずに動き出すと「年齢制限で申請できない」「職種が対象外」「資金が足りない」といった行き詰まりが起こりやすくなります。失敗を防ぐためには、事前に5つの条件をチェックし、自分のキャリアや家族計画と照らし合わせておくことが重要です。

この記事で取り上げる5つの条件は、

  1. 長期的に需要がある職種かどうか
  2. 英語力と年齢要件を満たせるか
  3. 貯金額とビザ・永住権費用をまかなえるか
  4. 家族帯同や子どもの教育条件をクリアできるか
  5. 税金とライフプランの整合性が取れているか

の5点です。これらを順番に確認していくことで、「とりあえず渡航してから考える」というリスクの高い進め方を避け、ニュージーランド移住をより計画的に進められます。次の節から、各条件を具体的に解説します。

条件1 長期的に需要がある職種かを見極める

長期ニーズがある職種を選ぶ重要性

ニュージーランドでビザや永住権を目指す場合、「今」ではなく「数年後も需要が続く職種か」を軸に職種選択を行うことが重要です。 一時的な人手不足だけを狙うと、制度変更や景気後退でビザ延長・永住権申請が難しくなるリスクがあります。

長期的な需要が見込まれるのは、医療・介護、建設・インフラ、IT・エンジニアリング、教育、一次産業(農業・酪農など)といった分野です。ニュージーランド政府が公表している「Green List(グリーンリスト)」や、技能移民カテゴリーの対象職種リストを必ず確認し、自分の職種が含まれているか、今後数年の人口動態や政策と整合しているかをチェックすると、より安全度が高まります。

需要の調べ方と実務的なチェックポイント

長期ニーズを見極めるためには、以下の情報源を複数組み合わせて確認します。

確認ポイント 具体的な行動例
政府の職種リスト Immigration New Zealand の Green List、技能移民関連ページを確認する
求人件数の傾向 SEEK、Trade Me Jobs などで半年〜1年単位の求人動向を見る
現地の声 LinkedIn、業界団体、現地コミュニティで働き手不足の分野をヒアリングする

「自分の職種がどのビザルートと結びつきやすいか」「5〜10年後のキャリアが描けるか」をセットで検討することが、ビザ・永住権で損をしないための前提条件になります。

条件2 英語力と年齢要件を満たせるか確認

永住権につながる多くのビザでは、英語力と年齢が合否を左右する重要な条件になります。検討中のビザで「今の自分が本当に条件を満たせるか」を早めに確認することが大切です。

主なビザごとの英語・年齢の目安

ビザ・ルート 英語力の目安 年齢の目安例*
技能移民(SMC) IELTS Overall 6.5前後 20〜55歳でポイント有利
グリーンリスト経由 IELTS 6.0〜6.5が一つの目安 多くは55歳以下を想定
AEWV(就労ビザ) 職種によりIELTS 4.0〜5.5以上など 65歳以下目安・実年齢より経験重視
学生ビザ 語学学校は不要~IELTS 4.5〜、大学は6.0〜 年齢制限は緩いが40代以降は計画必須
ワーホリ 語学要件なし 18〜30歳(日本国籍)

*最新の正式要件は必ず移民局公式サイトで確認してください。

*「英語テストが必要か」「年齢がポイント制にどう影響するか」を確認し、足りない場合は、語学学校での学習や別ルート(学生ビザ経由、パートナー経由など)を早期に検討することが、ニュージーランド移住で失敗しない鍵になります。

条件3 貯金額とビザ・永住権費用を試算する

永住権まで見据える場合、貯金額の目安とビザ関連費用の合計を必ず数字で把握しておくことが重要です。ニュージーランドは物価と人件費が高く、想定よりお金がかかるケースが多く見られます。

目安としては、単身での就労・永住権狙いの場合、少なくとも200〜300万円程度の自己資金があると安心です。内訳イメージは以下のとおりです。

費用項目 目安額(NZD) 備考
渡航前の語学・資格取得費用 0〜5,000 必要な人のみ
ビザ申請費用(就労・永住権含む) 3,000〜8,000 ビザ種類で大きく変動
航空券(往復) 1,500〜2,500 時期により変動
当初3〜6カ月の生活費(家賃含む) 10,000〜20,000 求職期間を想定

「いつ」「どのタイミングで」「いくら」支払いが発生するかを時系列で並べ、円建て・NZドル建ての両方で試算すると、資金ショートのリスクを減らせます。為替レートやビザ申請料は頻繁に改定されるため、移民局公式サイトで最新額を確認し、試算額に2〜3割の余裕を持たせて計画することが望ましいです。

条件4 家族帯同と子どもの教育条件を整理

家族帯同を前提に移住を計画する場合、「どのビザでどこまで家族を帯同できるか」と「子どもの教育費がどの程度かかるか」を事前に整理しておくことが重要です。

まず帯同範囲の目安です。

本人のビザ種類 パートナー帯同 子ども帯同 子どもの就学 備考
ワーホリ 原則不可 原則不可 公立校は基本対象外 例外的ケースのみ専門家へ相談
学生ビザ(高等教育・フルタイム) パートナーワークビザの可能性あり 子どもは学生ビザ 公立校「Domestic student」扱いになる場合あり 専攻やレベルにより可否が変わる
AEWV(就労ビザ) パートナーワーク/ビザ帯同可 子どもは学生ビザ 公立校に就学可能 年収や雇用主条件に注意
永住・居住権 可能 可能 公立校は原則無料(学費) 自治体による差はあり

教育面では、公立校は授業料が無料でも、制服・文具・課外活動費などで年間数十万円規模の出費になるケースが一般的です。インターナショナルスクールを選ぶ場合は、年間学費が100〜300万円超になることもあります。

移住前には、
– どのビザで家族を連れて行くのか
– 子どもの年齢と学年、希望する教育環境(現地校/日本語補習校/インターナショナル)
– 想定される年間教育コスト

を具体的な数字に落とし込み、家計全体のシミュレーションに組み込むことが、無理のない移住計画につながります。

条件5 税金と将来のライフプランを設計する

将来の税負担を「日本・NZ両方」でシミュレーションする

ニュージーランド移住では、日本とニュージーランドのどちらでどの程度課税されるかを事前に把握することが重要です。 日本での「非居住者」になるタイミングや、日本に残す資産(不動産・証券口座・会社など)の扱いで、税負担は大きく変わります。ニュージーランドは相続税・贈与税がなく、給与所得や事業所得が中心のシンプルな税制ですが、累進課税のため高所得者は税率が高くなります。将来の年収レンジと資産構成を想定し、日本・ニュージーランド双方の税率を比較しながら、どの国でどの収入を得るかを設計すると失敗が少なくなります。

公的年金・退職金・投資を含めたライフプラン

移住後のライフプランでは、日本の公的年金・企業年金・退職金と、ニュージーランドでのKiwiSaver(積立年金)のバランス設計も欠かせません。 日本の年金は海外在住でも受給可能ですが、受取方法や為替リスクを考える必要があります。ニュージーランドで長期就労する場合はKiwiSaverへの加入を検討し、拠出額・運用リスク・引き出し条件を理解したうえで積み立てます。さらに、投資信託や不動産などの民間資産をどの通貨・どの国で持つかを分散させると、為替変動や制度変更への耐性が高まります。

いつまで働くか・どこで暮らすかの「出口戦略」を決める

税金とライフプランを考える際は、「何歳までどの国で働き、老後をどこで過ごすか」を早めにイメージしておくことが鍵になります。 ニュージーランドで永住権を維持しながら、高齢期は日本に戻る選択肢もあれば、その逆もあります。どのパターンを選ぶかで、必要な貯蓄額・保険・医療費の前提が変わります。3つ程度のシナリオ(NZに定住/日本へ帰国/2拠点生活)を想定し、それぞれの税金・年金・生活費をざっくり試算したうえで、毎年見直していく姿勢が、長期的な損失を防ぐうえで有効です。

ビザ申請の基本ステップと必要書類一覧

ニュージーランドのビザは種類ごとに細かな違いがありますが、基本的な申請ステップは多くのビザで共通しています。大まかな流れを把握してから、必要書類を早めに揃えることが、却下リスクとタイムロスを減らす最大のポイントです。

ビザ申請の基本ステップ

  1. 目的・ビザ種類の決定(就労・就学・ワーホリ・家族帯同など)
  2. 公式サイト(Immigration New Zealand)で最新条件を確認
  3. 必要書類の洗い出しと取得スケジュール作成
  4. オンラインアカウント作成・申請フォーム入力
  5. 申請料金の支払い
  6. 健康診断・無犯罪証明などの提出
  7. 追加書類の要請があれば対応
  8. 結果通知・パスポートへのビザ付与(電子ビザ含む)

主な必要書類の一覧

ビザの種類により異なりますが、代表的な書類は以下の通りです。

区分 主な書類例
本人確認 有効なパスポート、証明写真
経歴・学歴 英文履歴書、卒業証明書、成績証明書
就労関係 雇用契約書、求人票、雇用主の認定証明(AEWVなど)
資金証明 銀行残高証明、スポンサーからのサポートレター
健康・品行 健康診断結果、胸部X線レポート、無犯罪証明書
家族関係 戸籍謄本、結婚証明書、出生証明書の英訳

多くの書類で「英訳」と「認証(公証人や役所の証明)」が必要になるため、日本側で準備できる書類は出発の半年〜1年前から動き始めると安心です。

オンライン申請の流れと標準的な期間

オンライン申請は、ほとんどのニュージーランドビザで共通の流れです。全体像を把握してから準備を始めると、申請のやり直しやタイムロスを防ぎやすくなります。

オンライン申請の基本的な流れ

  1. Immigration NZ(INZ)のアカウント作成
    RealMeまたはINZの移民アカウントを作り、申請するビザの種類を選択します。

  2. オンラインフォームの入力
    個人情報、学歴・職歴、滞在目的、家族情報などを英語で入力します。就労ビザの場合は雇用主情報も必要です。

  3. 必要書類のアップロード
    パスポート、写真、残高証明、オファーレターなどをPDFやJPEGでアップロードします。

  4. 申請料のオンライン決済
    クレジットカードまたはデビットカードで支払いを行います。支払い完了後に申請が正式受付となります。

  5. 健康診断・無犯罪証明の提出(必要な場合)
    指定のパネルドクターで健康診断を受け、結果は電子的にINZへ送付されます。無犯罪証明は別途取得してアップロードします。

  6. 審査・追加書類対応
    審査中に担当官から追加書類の依頼や質問が届く場合があります。期限内に英語で回答・提出します。

  7. 結果通知とビザ発給
    承認されると、ビザレターがメールまたはオンラインアカウントに届きます。eVisaの場合はパスポートに貼付は不要です。

標準的な審査期間の目安

実際の審査期間は時期や案件によって変動しますが、おおよその目安は次のとおりです。

ビザの種類 目安期間(あくまで一般的な目安)
ワーキングホリデービザ 数日〜4週間前後
学生ビザ 3〜8週間
就労ビザ(AEWV) 4〜12週間
パートナー・家族関連ビザ 2〜6か月
永住権・居住権関連(SMCなど) 6か月〜1年以上

公式サイトに最新の「Processing times」が公表されているため、申請前に必ず確認し、余裕を持ったスケジュールで準備することが重要です。

共通して求められる書類と準備のコツ

ビザの種類にかかわらず、ニュージーランドの多くの申請で共通して求められる書類があります。あらかじめ一覧を把握して早めに集め始めると、申請直前のトラブルを避けやすくなります。

区分 主な書類 準備のコツ
本人確認 パスポート(残存期間十分)、証明写真 残存期間は最低でも1年以上、写真は指定サイズ・背景色を確認して撮影する
経歴 英文履歴書(CV)、学歴証明、職務経歴証明 日本語版を先に整理し、翻訳方針(自力翻訳か専門家か)を決めておく
資金証明 銀行残高証明(英文)、給与明細、納税証明 ビザごとの必要金額を確認し、複数口座の残高を1つの銀行でまとめて証明してもらう
滞在計画 航空券予約確認、滞在先の情報 柔軟に日程変更できる予約を利用し、住所が未定の場合は一時滞在先の情報を用意する
家族関係 戸籍謄本、婚姻証明、出生証明書 発行から3か月以内が望ましいため、申請時期に合わせて取得する。必要に応じて英訳・認証を行う

準備のポイントとしては、

  • 原本・コピー・英訳の3セットを意識して整理する
  • スキャンデータはクラウドに保存し、ファイル名に「種類_発行日」を入れて管理する
  • 英訳は、提出先のルール(自筆訳可、翻訳会社のみ可など)を必ず事前確認する

事前にチェックリストを作り、オンライン申請画面で求められる書類と突き合わせることで、抜け漏れを防ぎやすくなります。

健康診断と無犯罪証明の取得方法

ニュージーランドの多くのビザ申請では、一定期間以上の滞在を希望する場合に健康診断(メディカルチェック)と無犯罪証明書(Police Certificate)が必須になります。どのビザでどの検査が必要かは、申請フォーム作成時にオンラインシステムで案内されるため、必ず最新情報を確認してください。

健康診断(メディカル)の受け方

  • ニュージーランド移民局指定のパネルドクターのみ利用可能(一般の病院では不可)
  • 東京・大阪・名古屋など主要都市にクリニックがあるため、早めの予約が重要
  • 検査内容:問診、レントゲン、血液検査など(ビザ種類や滞在期間で変動)
  • 費用目安:2万〜4万円前後、自費負担
  • 結果はeMedicalを通じてオンラインで移民局へ送信されるため、申請者が書類を郵送する必要は通常ない

注意点として、妊娠中や持病がある場合は、予約時に必ず申告することが重要です。必要に応じて追加検査や書類が求められる場合があります。

無犯罪証明書(Police Certificate)の取得方法

ニュージーランドビザ申請で日本の無犯罪証明書が必要になるのは、一般的に「17歳以上」で「2年以上のビザ」などの場合です(条件はカテゴリーにより異なります)。日本では「犯罪経歴証明書」という名称で発行されます。

取得の流れは次のとおりです。

  1. 最寄りの都道府県警察本部の「証明書発給窓口」に事前問い合わせ
  2. 必要書類(パスポート、運転免許証など身分証、申請理由を示す書類)を持参し申請
  3. 指紋採取を行い、申請完了
  4. 発行までの期間はおおむね2〜4週間程度

証明書は封緘された状態で交付され、原則として封を開けてはいけません。ニュージーランド移民局へ提出する際は、指示に従って「原本を郵送」または「スキャンデータをアップロード」する形になります

いつ動き出すべきかの目安

健康診断も無犯罪証明書も、取得から有効とみなされる期間があります(多くのケースで6〜12カ月)。ビザ申請予定時期の3〜4カ月前から準備を開始すると、期限切れや申請遅延を避けやすくなります。

特に、日本国外で長期滞在歴がある場合は、その国の無犯罪証明も必要になることがあり、取得に時間がかかるケースもあるため、早めの確認が重要です。

日本から仕事を確保するための現実的な方法

日本からニュージーランドの仕事を確保する最大のポイントは、「ビザスポンサー実績のある雇用主に絞って応募すること」と「オンラインでの信頼できるプロフィール作り」です。ニュージーランドでは現地在住者が優先されるため、履歴書の形式・英語力・職種選びを戦略的に整える必要があります。

現実的なステップは次の通りです。

  1. 職種とビザルートの確認
    自分の職種がグリーンリストや技能移民カテゴリーに関連しているかを確認し、ビザにつながりやすいポジションを狙います。

  2. NZ仕様のCVとカバーレター作成
    日本式の職務経歴書ではなく、ニュージーランドで一般的な1〜3ページ程度のCVに作り直し、求人ごとにカバーレターをカスタマイズします。

  3. 求人媒体の選定と応募数の確保
    SeekやLinkedInなど主要サイトで「Accredited Employer」や「visa sponsorship」などのキーワードで検索し、スポンサー可能な企業に数多くアプローチします。

  4. オンライン面接対策と英語力の証明
    Zoom面接を想定し、簡潔な自己紹介や志望動機を事前に英語で準備します。IELTSなどのスコアがあれば積極的に提示します。

  5. 短期渡航やリモートワークも選択肢に入れる
    観光ビザやワーホリで短期滞在し、現地で直接面接を受ける方法や、日本企業のリモート勤務で収入源を確保しながら移住を目指す方法も検討すると現実性が高まります。

これらを同時並行で進めることで、日本にいながらでも雇用主からのオファーを得られる可能性を高められます。

求人サイトとエージェント活用のポイント

日本からニュージーランドの仕事を確保する際は、「求人サイトで広く情報収集」「エージェントで戦略と交渉を任せる」という役割分担を意識すると効率的です。

まず求人サイトは、Seek、Trade Me Jobs、LinkedInが三大定番です。業界や勤務地、給与レンジ、ビザサポート有無でフィルタをかけ、希望条件に合うポジションの「相場感」を把握します。英語CVとカバーレターを準備し、求人ごとに内容をカスタマイズすることが重要です。

一方、採用企業と直接やり取りしているエージェントを活用すると、履歴書のブラッシュアップ、面接対策、給与交渉、ビザスポンサー可否の確認などをサポートしてもらえます。登録の際は、ニュージーランド国内拠点があるか・自分の業界に強いか・移住前提の応募に理解があるかをチェックしましょう。複数社に登録しつつ、やり取りのレスポンスや提案内容から「相性の良い担当者」を見極めることも大切です。

ネットワークづくりとリモート就活の進め方

海外から内定を得るためには、「求人応募」と並行してネットワークづくりを進めることが重要です。ニュージーランドでは、紹介やリファラル経由の採用が多い傾向があるため、オンラインでのつながりづくりが結果的にビザ取得の近道になる場合もあります。

オンラインでのネットワークづくり

  • LinkedInでプロフィールを英語で作成し、「New Zealand」「Auckland」など地域指定で同業の人とつながる
  • 興味のある企業の採用担当・マネージャーに、簡潔な自己紹介と関心ポジションを英語メッセージで送る
  • MeetupやFacebookグループで「Japanese in New Zealand」「〇〇(職種名) NZ」などのコミュニティに参加する
  • 日本人コミュニティだけでなく、現地の業界団体やオンラインイベントにも参加する

リモート就活の進め方

  • 日本時間とニュージーランド時間の差(+3〜4時間)を踏まえ、オンライン面接可能な時間帯をあらかじめ整理する
  • カバーレターでは「なぜニュージーランドか」「どのビザで就労予定か」「いつから渡航可能か」を明記する
  • オンライン面接では、英語での職務説明・ビザ状況の説明を事前にスクリプト化して練習しておく
  • 現地到着前提の求人も多いため、「まずはリモートで業務開始」「○月に現地入り予定」など複数パターンを提案できるよう準備する

求人サイトとエージェントを使った応募に、自分からつくるネットワークと情報発信を組み合わせることで、書類選考の通過率と面接機会を高めやすくなります。

ビザ・永住権にかかる費用と生活コスト目安

ニュージーランド移住では、「ビザ・永住権にかかる費用」と「現地での生活コスト」をセットで把握することが重要です。ビザ申請料だけでなく、NZドルと円の為替レート変動も含めて、少し余裕を持った計画が安全です。

ビザ関連では、就労ビザや学生ビザ、居住権・永住権の申請費用に加え、健康診断、無犯罪証明、翻訳費用、ビザコンサルタントへの相談料などが発生します。「政府に支払う申請料+周辺の手続き費用」で総額が大きくなりやすい点に注意が必要です。

生活コストは、家賃・食費・光熱費・通信費・交通費が中心になります。オークランドやウェリントンは家賃が高く、地方都市は比較的抑えやすい傾向です。移住計画の初期段階で、ビザ費用と生活費の両方を概算し、「半年〜1年分の生活費+ビザ関連費用」を最低ラインの目安として貯蓄計画を立てると、ビザ遅延や想定外の出費にも対応しやすくなります。

主な申請費用とその他の初期コスト

ニュージーランドへの移住では、ビザ申請料だけでなく「周辺コスト」を含めてトータルでいくら必要かを把握することが重要です。代表的な費用は次の通りです。

区分 目安費用(NZD) 内容例
ビザ申請料 300〜4,000 ワーホリ・学生・就労・居住権・永住権など種類で大きく変動
移民アドバイザー費用 1,500〜6,000 申請代行や書類チェックを依頼する場合
健康診断 250〜500 移民局指定医療機関でのメディカルチェック
無犯罪証明取得 0〜100 日本・過去滞在国での証明書取得費用+郵送費
渡航費 1,200〜2,500 日本〜NZの往復または片道航空券
生活立ち上げ費用 2,000〜5,000 賃貸のボンド(保証金)・家具・家電・通信契約など

ビザの種類によって申請料は変動し、居住権や永住権は高額になる傾向があります。また、当面3〜6カ月分の生活費を別枠で用意しておくことが安全です。最新の申請料は必ずニュージーランド移民局公式サイトで確認し、為替レートの変動も見越して、余裕を持った予算設計を行うとよいでしょう。

主要都市別の家賃と生活費の目安

ニュージーランドの生活費は都市とライフスタイルによって大きく変わります。目安を把握して、ビザ費用とあわせて資金計画を立てることが重要です。

都市 1ベッドルーム家賃(中心部) 1ベッドルーム家賃(郊外) 単身生活費目安※ 家族3〜4人生活費目安※
オークランド NZ$2,500〜3,200/月 NZ$2,100〜2,700/月 NZ$4,000〜4,800/月 NZ$6,500〜7,800/月
ウェリントン NZ$2,200〜2,900/月 NZ$1,900〜2,400/月 NZ$3,600〜4,300/月 NZ$6,000〜7,200/月
クライストチャーチ NZ$1,800〜2,400/月 NZ$1,500〜2,000/月 NZ$3,000〜3,700/月 NZ$5,200〜6,500/月
ハミルトン・ダニーデン等中規模都市 NZ$1,600〜2,200/月 NZ$1,400〜1,900/月 NZ$2,800〜3,500/月 NZ$4,800〜6,000/月

※生活費目安には、家賃+食費+光熱費・通信費+交通費+日用品・雑費を含みます(学費・車購入費・旅行などは含まず)。

ポイントは「家賃が生活費の5〜6割を占めやすい」ため、都市選びと居住エリア選びで総コストが大きく変わる点です。
移住前には、Trade Me Propertyなどの現地サイトで最新の家賃相場を確認し、少なくとも6カ月分の生活費を手元資金として確保しておくと、ビザ更新や就職活動の際のリスクを抑えられます。

取り消し・却下されやすいケースと対策

ビザや永住権の申請は、提出書類の不備や条件の誤解で取り消し・却下される例が少なくありません。「要件を満たしていないのに申請している」「必要書類が不足・期限切れ」「申請内容と実態が一致しない」場合は、却下や取り消しリスクが高くなります。

よくあるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

よくある問題ケース 具体的な内容 事前対策
条件の勘違い 学歴・職歴・年収などが規定に達していない Immigration NZ公式サイトで最新要件を確認し、日本語サイトだけに頼らない
書類不備・期限切れ 残高証明・無犯罪証明・健康診断の有効期限切れ 申請予定日から逆算して取得し、有効期限を一覧表で管理する
勤務内容との不一致 雇用契約書の職務内容が申請した職種コードとずれている 雇用主と相談し、ANZSCOやGreen Listと整合した職務記述に整える
滞在条件違反 許可された就労時間超過、許可されていない職種での就労 ビザ条件を事前に印刷・保存し、雇用主にも条件を共有する

取り消し・却下を防ぐためには、英語原文での要件確認、重要書類の期限管理、雇用主との情報共有、専門家(弁護士・移民アドバイザー)による事前チェックが効果的です。少しでも不明点がある場合は、早めにプロに相談することで、致命的なミスを避けやすくなります。

虚偽申告や誤情報が疑われるケース

ニュージーランドのビザ・永住権申請では、虚偽申告や事実と異なる情報が疑われると高い確率で却下・取り消しの対象になります。悪意の有無にかかわらず、「結果として事実と異なる申告」になれば問題視されるため注意が必要です。

代表的な例は次の通りです。

疑われやすいケース 具体例
学歴・職歴の水増し 実際より高い学位を申告、在籍していない期間を勤務期間に含める
職務内容の誇張 実際は一般職なのにマネージャーとして申請するなど
英語力の虚偽 認められていないテスト結果を提出、スコア改ざん
パートナーシップの偽装 実態のない結婚・同棲を装う
資金証明の不正 一時的に借りたお金を自己資金として見せる
健康・犯罪歴の隠匿 過去の逮捕歴や重大な持病を記載しない

移民局は、申請内容とSNS・求人情報・会社HP・過去申請履歴などを照合して審査します。少しでも不安がある情報は、必ず専門家に確認し、証拠書類で裏付けられる内容だけを申告することが重要です。

滞在条件を満たせない場合のリスク

ビザの種類ごとに「就労時間」「就学期間」「滞在日数」などの条件が細かく定められており、条件違反が続くとビザ取り消しや今後の申請拒否につながる重大リスクがあります。特に、就労ビザでの無許可副業、学生ビザでのフルタイム就労、観光ビザでの就労、ワーホリでの規定を超えた同一雇用主での勤務などは、移民局が厳しくチェックしています。

滞在条件を満たせない期間が長いほど、次回のビザ・永住権審査で不利になります。過去のオーバーステイや条件違反は、将来的にニュージーランドへの入国自体が難しくなる可能性もあります。少しでも不安がある場合は、早めに専門家や移民アドバイザーに相談し、ステータスの是正やビザ変更の検討を行うことが重要です。

専門家に相談したほうがよい場面

どこまで自力で対応し、どこから専門家に任せるか

ニュージーランドのビザ・永住権は頻繁に制度変更があり、「自分のケースが例外やグレーゾーンに近い」と感じた時点で専門家への相談を検討することが重要です。

典型的に相談した方がよい場面は、次のようなケースです。

相談推奨の場面 理由・ポイント
申請が一度却下・差し戻しになった 再申請では説明責任が重くなり、戦略的な対応が必要になるため
年齢が高め・英語力や学歴が基準ギリギリ ポイント計算や代替ルートの検討が複雑になるため
ビザ種別を切り替えながら永住権を目指す 滞在条件・就労条件の取りこぼしがあると後から不利になるため
パートナーシップ・事実婚・連れ子がいる 家族ビザ要件や証拠の出し方が難しく、否認リスクが高いため
自営業・フリーランス・投資収入が中心 収入証明や事業計画の作り方に専門知識が必要なため
却下リスクが高いと言われた / 自分で調べても判断できない 移民弁護士や有資格アドバイザーの見解が将来の損失を防ぐため

費用はかかりますが、ビザ却下による数年単位のタイムロスや、家族の予定変更を考えると、リスクが高い場面ほど専門家への相談コストは「保険」としての意味合いが強くなります。

ニュージーランド移住準備のタイムライン

ニュージーランド移住を現実的な計画に落とし込むためには、ざっくりでも「いつ・何をするか」の全体像を早めに把握しておくことが重要です。特にビザ申請の締切・健康診断・無犯罪証明の取得には時間がかかるため、逆算したタイムライン作りが失敗防止につながります。

全体像としては、出発の約12カ月前から情報収集と資金計画をスタートし、9~6カ月前にビザ選択と語学・職歴の整理、6~3カ月前にビザ申請と住居・学校探し、3カ月前以降は荷物の整理や銀行・保険など実務的な手続きを進める流れが一般的です。仕事を日本から確保する場合は、ビザ選択よりも前の段階(およそ1年前)から求人チェックとネットワーキングを始めるとスムーズです。

次の小見出しでは、出発1年前から出発直前までの具体的なスケジュール例を時系列で整理し、どの時期に何を終えておくべきかを解説します。

出発1年前からの準備スケジュール

ニュージーランド移住は、出発の約1年前から逆算して準備を始めると、ビザ取得や仕事探し、資金面のリスクを大きく減らせます。おおまかなスケジュールの目安は次のとおりです。

時期の目安 主なタスク
12〜9カ月前 家族会議、移住の目的整理、希望都市・職種のリサーチ、必要なビザの選定、概算の生活費・必要貯金額の試算
9〜6カ月前 英語学習の強化(IELTS/TOEFLなど)、職務経歴書・英文レジュメ作成、日本での転職・退職時期の検討、子どもの学校・教育方針の確認
6〜3カ月前 ビザ申請に必要な書類収集(パスポート更新、戸籍・住民票、残高証明など)、健康診断・無犯罪証明の準備、日本の住居や家財の整理、ペットの輸出要件確認
3〜1カ月前 ビザ申請・結果待ち、航空券手配、一時滞在先の手配(ホテル・Airbnbなど)、銀行・クレジットカード・携帯・保険など日本側の解約・変更手続き準備

特に、健康診断・無犯罪証明・英語試験のスコアは取得に時間がかかることが多いため、9〜6カ月前には着手することが重要です。仕事を確保してから渡航したい場合は、オンライン面接の日程調整を見越して、同じタイミングで本格的な就職活動も始めるとスムーズです。

到着後3カ月で整えたい生活基盤

ニュージーランド到着後3カ月は、生活基盤を一気に整える重要な時期です。最初の3カ月で「住まい・お金・仕事・教育・医療・コミュニティ」の6点を最低限完成させることを目標にすると、ビザ更新や永住権申請の準備にも余裕が生まれます。

分野 到着1カ月以内 1〜3カ月でやること
住まい 短期滞在先にチェックイン、内見予約 中長期の賃貸契約、電気・ネット契約の名義切替
お金 銀行口座開設、デビットカード受取 給与振込設定、国際送金ルートの確立
仕事 面接・トライアル開始 雇用契約締結、就労ビザ条件の確認
教育 学校・保育施設の見学 入学・入園手続き、通学ルートの確認
医療 近所のGP(かかりつけ医)候補の把握 GP登録、薬局・救急病院の場所確認
コミュニティ 日本人会やSNSグループに参加 趣味のサークル参加、現地の友人づくり

特に、賃貸契約・銀行口座・GP登録・雇用契約(または安定収入源の確保)は、各種ビザ更新や将来の永住権申請時に住所・収入・健康状態の証拠として活用できます。3カ月の段階で「生活の土台は整った」と言える状態を目指し、その後に転職や引っ越し、学校変更などの「質の向上」を検討すると負担が軽くなります。

ニュージーランドのビザ・永住権は、種類やルートが多く複雑ですが、職種の将来性、英語力・年齢、資金計画、家族帯同、税金とライフプランという5つの条件を押さえることで、大きな失敗は避けやすくなります。ビザ要件や制度は頻繁に変わるため、最新情報の確認と専門家への相談を組み合わせながら、日本にいる段階から仕事探し・資金準備・書類集めを計画的に進めることが、ニュージーランド移住を現実に近づける最短ルートと言えるでしょう。